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第1話 主人公のプロローグ
懐かしい思い出が、よみがえった。
「うえぇぇぇぇえーん、痛いよー!!!!」
「わあぁー!お姉ちゃん!大丈夫?」
姉は転んで、擦りむいた膝から血が出ていた。姉よりも幼い妹は、オロオロしながらどうにか姉を泣き止ませようとした。
「よしよし、お姉ちゃん!私がとっておきのおまじないをしてあげる!」
「なぁに?」
チュッ
姉は、驚いた顔をする。少し赤くした顔で、
「もうーこのキス魔めぇ~」
「えーでも元気になったでしょ?」
とイタズラに笑う。
そして、二人で手を繋いで帰った。
このときは…本当に仲がよかった…
幸せだった…
幸せは…すぐに…崩れていく…
妹がアイドルのオーディションを受けてから両親は…私のことを見てくれなくなった。
それでも妹が、アイドルとして頑張ってるのを見て応援していた。
知らない間に…知らない間に…崩れていく心…
大好きだよ?愛してるよ?
みんな…私は、ここだよ?
なんで…
〈はあぁぁぁ……邪魔だな…〉
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