第1話 主人公のプロローグ

1/1
前へ
/132ページ
次へ

第1話 主人公のプロローグ

懐かしい思い出が、よみがえった。 「うえぇぇぇぇえーん、痛いよー!!!!」 「わあぁー!お姉ちゃん!大丈夫?」 姉は転んで、擦りむいた膝から血が出ていた。姉よりも幼い妹は、オロオロしながらどうにか姉を泣き止ませようとした。 「よしよし、お姉ちゃん!私がとっておきのおまじないをしてあげる!」 「なぁに?」 チュッ 姉は、驚いた顔をする。少し赤くした顔で、 「もうーこのキス魔めぇ~」 「えーでも元気になったでしょ?」 とイタズラに笑う。 そして、二人で手を繋いで帰った。 このときは…本当に仲がよかった… 幸せだった… 幸せは…すぐに…崩れていく… 妹がアイドルのオーディションを受けてから両親は…私のことを見てくれなくなった。 それでも妹が、アイドルとして頑張ってるのを見て応援していた。 知らない間に…知らない間に…崩れていく心… 大好きだよ?愛してるよ? みんな…私は、ここだよ? なんで… 〈はあぁぁぁ……邪魔だな…〉
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加