アテーナーロイヤルホテルへ

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アテーナーロイヤルホテルへ

殺したい…殺したくない… 私の心を乱すのは、親でも恋人でも友達でもないの… 妹の智香だけ… 「ね~え~、おね~え~ちゃん!まだ着かないの~?汗、かいちゃうぅ!」 「智香~今日は、お休みなんだし~汗かいても問題ないんじゃない? 見てよ!緑がいっーぱい、んーどこからか海のにおいもするね~?二人で、楽しもうよ!」 と侑香は、智香を励ます。 智香はブツブツいいながら歩くが、久しぶりに姉との時間を過ごしたいと素直に歩く。 「「着いたー!!」」 山頂に着いたようなテンションだ。すると、バスが出ていて二人は呆然とした。 二人で笑いあった。 古い洋館が見えてきた。 ホテルの入り口の方へ歩く。 すると、ホテルのスタッフが「いらっしゃいませ、チェックインなら、あちらです」と声をかけられる。 お礼をいい、中へ入ってみると、ギリシャ神話のアテナ像が置いてある。きらびやかなシャンデリアや古時計、どこからか聴こえるオーケストラなど不思議な世界に入った気分だった。 妹がアテナ像を見て、 「裁判所で見かける像だよね?ドラマとか映画で見たことある」 「うん、でも何だろう…とても綺麗…」 私は心を奪われていた。このホテルの魅力なのか、とても心地よかった。 すると黒髪の男が、現れる。 「当ホテルのアテーナー像は、気に入りましたか?」 「ん?アテーナー?」 と姉妹は、首を傾げる。 「アテーナーは、ギリシャでの呼び名です。日本では、アテナですね。」 「あっ!ホテルの名前!」 と侑香は、声をあげる。 「そうです、ようこそアテーナーロイヤルホテルへ… 私は、支配人の新井でございます。 お困り事などありましたら、何なりと当スタッフに!」 受付でチェックインの手続けをすませ、カードキーを貰う。 ホテルの入り口で立っていたスタッフが、 「お荷物をお部屋まで、運びますね」 と声をかける。
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