24人が本棚に入れています
本棚に追加
アテーナーロイヤルホテルへ
殺したい…殺したくない…
私の心を乱すのは、親でも恋人でも友達でもないの…
妹の智香だけ…
「ね~え~、おね~え~ちゃん!まだ着かないの~?汗、かいちゃうぅ!」
「智香~今日は、お休みなんだし~汗かいても問題ないんじゃない?
見てよ!緑がいっーぱい、んーどこからか海のにおいもするね~?二人で、楽しもうよ!」
と侑香は、智香を励ます。
智香はブツブツいいながら歩くが、久しぶりに姉との時間を過ごしたいと素直に歩く。
「「着いたー!!」」
山頂に着いたようなテンションだ。すると、バスが出ていて二人は呆然とした。
二人で笑いあった。
古い洋館が見えてきた。
ホテルの入り口の方へ歩く。
すると、ホテルのスタッフが「いらっしゃいませ、チェックインなら、あちらです」と声をかけられる。
お礼をいい、中へ入ってみると、ギリシャ神話のアテナ像が置いてある。きらびやかなシャンデリアや古時計、どこからか聴こえるオーケストラなど不思議な世界に入った気分だった。
妹がアテナ像を見て、
「裁判所で見かける像だよね?ドラマとか映画で見たことある」
「うん、でも何だろう…とても綺麗…」
私は心を奪われていた。このホテルの魅力なのか、とても心地よかった。
すると黒髪の男が、現れる。
「当ホテルのアテーナー像は、気に入りましたか?」
「ん?アテーナー?」
と姉妹は、首を傾げる。
「アテーナーは、ギリシャでの呼び名です。日本では、アテナですね。」
「あっ!ホテルの名前!」
と侑香は、声をあげる。
「そうです、ようこそアテーナーロイヤルホテルへ…
私は、支配人の新井でございます。
お困り事などありましたら、何なりと当スタッフに!」
受付でチェックインの手続けをすませ、カードキーを貰う。
ホテルの入り口で立っていたスタッフが、
「お荷物をお部屋まで、運びますね」
と声をかける。
最初のコメントを投稿しよう!