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霊廟
ザッザッザッ…
草むらをかけわけていく。
そして、霊廟に着いて固いドアを開けた。
殺した人たちの壺が一面に置いている棚の真ん中に冷たいベッドがある。
そこに唯を寝かせる。口元の血をそっとハンカチで拭った。
新井は、唯に
「悔しかったね…辛かったね…頑張って耐えて…幸せを手にしたはずだったのに…今、終わったよ…守れなくて、ごめんね…」
新井は、ずっと唯のことを気にかけてきた。
それなのに、この結末は…あまりにも辛すぎる…
トントン…
高坂が入ってきて、
「棺の準備ができました。」
新井は、棺の中へ唯を入れた。
そして、土の中に入れ…星野と香山が花を持ってきて置こうとした時に
ドンっドン
という音がする。
皆は、一斉にスコップを持って穴を開けて、棺の扉を開ける。
唯は、生きていた。
「空気が最高っ」
と言って笑顔な唯と驚いて口が開いている新井達。
そして、唯を起こすと新井が
「おかえりなさいませ、唯様。」
「新井さん、私死んでたよね?」
「この毒は、昔私も飲んだことがあり…人によっては死に至る…でも運が良ければ生きているという感じでしょうか?」
とても悪戯な顔でいうので、唯はポカンとしていた。
ホテルのスタッフは、喜んでいた。
新井がふと思い付いたかのように
「唯様?あなたは、死んでる扱いになるので…もしよかったら、ここで働きませんか?」
唯は、驚いていたが笑顔で
「本当ですか?名前を変えて、新しい人生を歩みたいです!」
「地獄から、おかえりなさい!」
新井は、笑顔でそういった。過去の自分を重ねるかのように…
正式に、梅沢唯から桑山園美になり当スタッフの一員となりました。
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