女神の誓い

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女神の誓い

私と泉さんは、アテーナーロイヤルホテル周辺に山があるのを知っている。 そこで、猪などに使う罠をはって沙織の足を動けなくさせようと…そこから、石で頭を殴るという計画になっている。 誰かが狩猟をしていて、猪と間違えたかのような計画らしい… ふと思った…そんな生温くていいのだろうか…もっと沙織さんが絶望的な顔になるところを…私は…みたい… 今、勇輝やはるなちゃんは…頑張っている… あなたの息子の蓮は、何しているの? ねえ?反省してる? 勇輝のこと忘れた? はるなちゃんの指の怪我…知ってるの? 旦那さん、揉み消しても…私は…許さないし…あなたも痛い目にあえばいいのよ? ダメだ…この計画は、違う! もっと!もっと!!もっと!!!練らなきゃいけない! アテーナーロイヤルホテル行きのバスの中、私は…眠っていたみたいだ。 バスの座席の柔らかさに、いつの間にか寝ていた。起きていたのか夢なのか…ただこの計画は…。チラッと横目で沙織さんが寝ている。 今のうちに、寝てればいいのよ? 起きた時から…あなたは災難に襲われるからね… そしてまた、目を閉じる。 アテーナーロイヤルホテルに着いた。 海がとても綺麗で、潮風が吹いている。 どこからみても眺めがいい。 そして、ロビーへ入るとチェックインを済ませる。 部屋へ入ると、三人で興奮した。辺り一面が海で広がっている。本当に、ここは綺麗な所…下を見ると、プールが見える。 私は、部屋の窓からみた景色に、ふと白い建物がみえた。このアテーナーロイヤルホテルも白い建物だが…窓からみえる建物は、勇輝が入院している病院なのだ。 あぁ…勇輝がいる…会いたくなってきた… 「理子さ~ん?もうそろそろ、フェリーの時間だから行かないとね?」 と沙織さんが言う。 「はーい」 私は、返事をした。 エレベーターで下り、またロビーへ行く。 すると像にぶつかる私…目線を上にあげた。 “わあぁ…綺麗な像…” 「お客様?お怪我をされていませんか?」 と黒色のスーツを着た男性に声をかけられる。 私は、恥ずかしそうに 「あぁ…大丈夫です…この像がとても綺麗でつい…」 と言うと、男性はクスリと笑いながら 「わかりますよ?この像は、ギリシャ神話に出てくるアテナです。戦い・知恵・都市の守護神と呼ばれていますね。アテナは、傲慢で自らを貶める存在に容赦ない報復を行う理知的で気高い戦士らしいですよ?」 「容赦ない報復…もし叶うなら、殺ってくれないかしら?」 ボソッと声がもれる。私は、ハッとして、その男性に向き合い 「教えていただいて、ありがとうございます。」 男性は、笑顔で 「いえいえ、私、支配人の新井でございます。当ホテルにようこそ御越しいただきました。お話がしたいのであれば、教会の方へ行くと話を聞いてくれますよ?」 「あっ…はい」 新井さんに聞かれてたのかもしれない… 大丈夫… まさか殺すなんて、思っていないわ…きっと… 何事もなかったように、泉さんと沙織さんと合流しフェリーに乗り込む。
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