僕はしあわせだった⑤

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僕はしあわせだった⑤

 15歳になったら成人となるため孤児院を出ることになる。この国の孤児院は、孤児に対して不当な扱いをしない。むしろしっかりとした教育を施してくれて、将来ちゃんと独り立ちできるように支援してくれる。  僕も孤児院に入ってからもちゃんと勉強をさせて貰えて、その様子を見ていた院長先生に勧められて官吏の試験を受けた。お陰で合格出来て今がある。  官吏は他の平民の仕事に比べると給金は高めだ。僕は院長先生に心から感謝した。これで一人でもちゃんと生活できる、と。  僕は1人で生きていくつもりだった。だけどフリッツが僕が孤児院を出たあたりで好きだと告白してくれた。僕もフリッツが好きだったからそれを受け取り、僕たちは付き合い出した。付き合って3年、僕が18歳、フリッツが19歳の時に結婚した。  フリッツは子供の時から本当に優しくて、ずっと彼の事が好きだった。そして告白されたときは涙を流して喜んだっけ。今もこうしてずっと優しくしてくれるフリッツが僕の旦那様だなんて夢のように感じる。  僕達夫夫の共通の友人、デニスにも『お前たちが羨ましい!』って言われるくらい、本当に僕たちは仲が良い。デニスも僕と同じ孤児院出身で僕たち3人の付き合いは本当に長い。  優しい夫と気心知れた親友が僕の側にいてくれる。子供の時、家族を亡くして一人ぼっちだと思っていたけど、今は大好きな人たちと居られることが幸せだと思う。 「気を付けて行って来いよ。無事に帰ってくるの待ってるからな」 「うん、ありがとうフリッツ。行ってきます」
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