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夫と親友に裏切られて②
申し訳ないと断ったものの、夜道は物騒だからと言われ、これ以上お断りするのも逆に申し訳ないかと甘えることにした。
馬車で家の前まで送ってもらい、ヘルマン様が乗った馬車が見えなくなるまで見送った。
「フリッツ、絶対驚くだろうな」
あと5日は帰ってこないと思ってるだろうし、予定より早く帰って来た僕の顔を見たらどんな顔をするだろうか。
少しドキドキして玄関の扉を開けた。すると灯りは付いておらず真っ暗なままだった。玄関の目の前がリビングだ。だから真っ暗ということはリビングの灯りが付いていないという事。ということは、まだフリッツは帰ってきていないことになる。
この時間なら帰って来ててもおかしくない時間なのに…。もしかして僕がいないから外で食事でもしているんだろうか。
そう思いながらリビングへ向かうとテーブルには食事をした後が残っていた。しかも2人分。
誰かと食事をした…? その後は何処かへと出かけている…?
夫のフリッツは友人も多い。僕がいなくて1人だから、友人と食事をしたのかもしれない。そう思っていたのだけど…。
「……ぁ……フ……こっ……」
「…………き………ぃ………」
うっすらと何かが聞えて、僕はびくりと身をすくませた。心臓も一気にうるさいほどになっている。
何かが聞えた方へゆっくりと足を延ばしていく。音が聞こえる方向は寝室だった。
「んあっ……気持ちいいっ……」
「お前の体、相変らず、最高だなっ…」
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