コトダマ

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 日々エスカレートしていくその関係に終止符が打たれたのが、昨夜のこと。いつものように屋上で屯していたとき、祐樹の中で何かかがキレた。いつものようにおどおどとした和馬に。気弱で自己主張しない和馬が時折見せる反抗的な瞳に。神経を逆なでされた祐樹は、ついに一線を超えた。  否、超えたのは和馬の方だったのかも知れない。いつものように下僕扱いされる日々に、暴力の日々に、見下される日々に。嫌気がさし、チャンスとばかりに飛びついた。祐樹のその言葉に。責任を全て負って貰うために。 『お前も来いよ』  そうして、祐樹は飛び降りた。けれど関係は終わらない。形を変え、上下逆になり、続いていく。永遠に。
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