1人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
「そうなんですけど、おかしいな。さっきまで僕と二人でゲームしてたのに……」
二人して仲間の居所を探る。はて、彼は忽然と姿を消してしまったようだ。
と、双葉の頭に、とてつもなく嫌な予感が浮かんできた。
「まさか、あいつ……」
すぐさま階段を上り、二階へ急ぐ。赤星もあわてて後についてくる。
屋根裏部屋に続く南側の居室のドアを開けると、案の定、界=キャンサーが室内階段を使って天窓を開けようとしているところだった。
「お、双葉。おかえりー」
「界! お前なあ」
「まあ、見てなって。人間たちをちょっとからかってやるだけだよ」
界は悪戯心にあふれた生意気そうな瞳をきらきらさせ、得意げに微笑んだ。
「からかうって、どうするつもりですか!?」
赤星が心配そうに尋ねても、界は「後でお前らに武勇伝語ってやるよ!」と意気込んだ台詞を残し、さっさと窓から外に飛び出してしまった。
最初のコメントを投稿しよう!