魔女の息子たち

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「俺らがとばっちり受けるのも嫌だから、今日は家で大人しくしてる。あいつだからどうせ上手く逃げ切って戻ってくるに決まってるさ」  双葉の提案に、赤星は(だいぶ彼に手を焼いてますね)と苦笑いをし、友人の案に乗って二人で真夜中のお茶会を楽しむ予定に変えた。    ◇  日が完全に沈み切った後の夜空は、例年にも増して冴え冴えとしていた。冷たい風がひゅうっと、魚沼(うおぬま)コウの首筋を撫でる。しんとした夜中の住宅街を歩くのは、魔女狩り同盟に加盟している男たちのみである。ざっ、ざっ、といつぞやの時代の軍隊のように、互いに息をひそめて、緊張と連帯感の空気を敏感に共有しながら規則的に歩く。ただいま魔女を捜し出すための巡回パトロール中である。 「寒……」
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