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財布事情①
お互いに一人暮らしの状態から同棲し、
そのまま結婚した私たちは、
しばらくは別財布でやりくりをしていた。
収入の違いはほとんどなく、
そこまで浪費しない自分たちにとって、
お小遣い制だの共通口座などは煩わしく感じていた。
食費や消耗品は妻で、光熱費や管理費等の生活費は自分。
住宅ローンはそれぞれで借りているが、
産休や育休の時期などを見越して、
私6.5:妻3.5ぐらいの比率で組んでいた。
大きな買い物は基本的に自分が払い、
固定資産税なんかも自分が負担していた。
明らかに自分の方が多く払っているという感覚がありつつも、
それでも別財布やお小遣い制よりはいいかと思い、
これまで特に問題なく生活できていた。
これからも大丈夫だと思っていた。
ただ、子供が産まれると話が変わってくる。
家族2人ならうまくいっていたことも、
子供に関わる出費がかなり出てきて、
これからを見据えたら、教育費だのなんだので、とにかくお金がかかり、
どっちが出すかで妙な駆け引きが生まれてきた。
どうしても財布が別だと「自分の財産」という気持ちが強くなり、
家族のために使っているとはいえ、
明らかに自分の口座のほうがお金が貯まらない状態にモヤモヤ。
さらに育休中で収入が減るということで、
最近は食費や育児用品も私のほうで負担することが多かった。
あれ、今までずっと多く払ってきていたのに…
モヤモヤ。
こうやってモヤモヤしてしまうのは、
今まできちんとお金のことで話をしてこなかったからだ。
目先のことだけではなく、
この口座にはどんな目的で貯めていくとか、
将来的に教育費はどうやって払っていくかとか、
旅行や大型家電などはどのように支払うかとか…
様々なことがなぁなぁになっていたからだ。
だから、しっかりした目的を決めていない自分の口座から支払うことや、
しっかりした目的が決まっていない妻の口座にたくさん貯まっていくことに、
納得感をもてずにいた。
いつかは今後のお金のことで相談しようとは思っていたものの、
出産後の怒涛の育児生活や、
妻の強迫性障害の発症と盲腸での入院が重なり、
話すタイミングを掴めずにいた。
何となく、お金の話は切り出しづらい。
だが、入居10年を迎えた我が家では、
様々な家電が寿命を迎えつつあり、
エアコンを買い替えるべきかどうかの話を、妻が切り出してきた。
これはチャンスと思い、
恐る恐る財布事情について、
これまでのモヤモヤなどについて、
切り出すことに。
続く
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