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「山科くん。私のことを好きになってくれてありがとう。私も、これから少しずつ山科くんのことを知っていきたいって思う」 「白井。それって」 「うん。まずは、友達からでもいいかな?」 「ま、まじで!? もちろん!」 さっきまでの不安そうな顔とは打って変わって笑顔になった山科くんに、私も自然と笑顔になる。 今まで私の中での異性は、こーちゃんだけだった。多分、周りが見えていなかったのだと思う。 これからはもっと、周りの人のことを見ていきたい。 家族や幼なじみ以外で自分のことをちゃんと見てくれている人のことも、これからは大切にしていきたい。 「ねぇ、山科くん。良かったら、今日一緒に帰らない?」 「うん、帰ろう」 山科くんと私は教室を出て、二人並んで昇降口へと向かって歩き出す。 この廊下を歩くのも今日で最後だと思うと、名残惜しい。 山科くんと廊下を歩いていると、制服のポケットの中のスマホが振動し私は立ち止まる。 ……あ。
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