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翌日。高校の卒業式のこの日は、私たちの新たな門出を祝ってくれているかのような晴天に恵まれた。 式典と最後のホームルームが終わり、しばらくは写真を撮ったりするクラスメイトたちで騒がしかった教室もようやく静かになった今。 私は一人教室に残り、自分の席から窓の外の青空を見つめていた。 今日は、こーちゃんの大事な結婚式の日でもあるから。晴れてくれて、本当に良かった。 「白井!」 名前を呼ばれて振り返ると、卒業証書を手にした山科くんが立っていた。 「あれ。山科くん、学ランのボタン……」 彼の学ランは、第二ボタンだけでなく全てのボタンがなくなっていた。 「ああ。女子たちに、勝手に持ってかれた」 「そうなの!? 山科くん、ほんとモテるね」 私は、山科くんから視線を空へと戻す。 「白井、まだ帰らないの?」 「うん。今日でこの教室ともサヨナラだから。もう少しだけいようと思って」 「そっか」 すると山科くんが、私の前の席へと座った。 「俺も、一緒にいて良いか?」 「え、うん」 「白井、何だか寂しそうだから」 「そりゃあ、寂しいよ。だって、今日で卒業なんだから」 私はそれだけ言うと、しばらくまた青空を見つめる。山科くんも私と同じように、じっと空を見上げている。
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