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23 財務大臣の財布の紐
「門か…
しかし、お前さんの能力で塀みたいにパパッと作っちまえば良いんじゃないのか?」
ラッシャーさんは言う。
「うーん、複雑で開け閉めの効く門は、俺の能力じゃちょっと無理なんですよね…」
俺。
「ほぉ…?
まぁ、よく分からんが、門だけなら25万ゴールドでどうだ?」
「ありがとうございます!
立派な門をお願いしますね!」
そして、またまた契約してEarthに帰った。
相変わらず、メニーストア区のカレー店と宿屋にはそれなりにお客さんが来ているし、ハイペリオンの塀の中のエブリファーム区は農産物がたわわに実っていた。
しかし、まだ何かが足りない。
とゆーか、街というには、都市というには、まだ全然なのだが…
とりあえず、メニーストア区にもう一店舗増やしたいな…
そう思って畑に向かうと、セスが俺に声をかけた。
「変な種が成ったぞ…」
「いつもの事だけど、また成ったか。
どれどれ?」
しかし、俺はその種を見て驚愕した!
それは、地球図鑑の中だけで見たことのある種だったからだ。
まさか…
この惑星でも育つのか…?
俺はセスに礼を言い、種研究ガーデンへと急いだ。
その種とは何か?
それは恐らく俺の見立てが間違って無ければ…
カカオの種だ…!
種研究ガーデンに一粒蒔くと、すぐにカカオの木が成った。
よし!
やっぱりそうだ!
コレで…
チョコレート工場兼チョコレート店が出来る筈だ!
また、忙しくなるぞぉ!
そのためには、従業員の確保と、チョコレート店を建てる金を貯めなきゃ!
ウチの財務大臣のシャロンに聞いてみるか!
そして、屋敷のキッチンへ向かいシャロンに声をかけた。
「なぁ、シャロン?」
「はーい、何ですかぁ?
今日はオムレツですよ!」
「オムレツかぁ!
じゃなくて!
お金って今どのくらいある?」
「えーと、宿屋の従業員と本契約したし、門代も渡したでしょう?
あまり無いですよ!
また、貯めなくちゃ!」
シャロンはちょっと嫌味っぽく言ってきたので、俺は退散した。
うーむ、チョコレート店への道のりは厳しそうだ…
ドカン!と稼げる物って無いのかなぁ?
ある訳ないか、そんな都合のいい物…
そんなこんなで風呂に入り、みんなで夜ご飯を食べた。
カレー店と宿屋には少しずつお客さんが増えているようで、イールさんやユーラさんはやる気を出していた。
チョコレート店がこれに加われば…
きっともっと客が集まるはずなんだが…
財務大臣の財布の紐は固そうだ…
そして、明日からは門を造るのを手伝うため、その日はゆっくり休んだ。
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