26 チョコレート店オープン!

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26 チョコレート店オープン!

そうして、忙しい生活がまた始まった。 俺は畑に顔を出して、新しい種を種研究ガーデンで研究したり、カレー店の品質をチェックしたり、宿屋の管理を指導したり、木材を作ったり、とフル稼働していた。 そして、チョコレート店兼工場が完成する10日前に畑組のメンバーで手分けして、イライザの街と王都リナナの街に従業員募集のチラシを配った。 月給は5万ゴールド。 この世界では、充分に暮らしていける額だった。 募集する人材は… 1、チョコレート店の販売員 3名 2、チョコレート工場の製造員 15人 3、チョコレート店兼工場副オーナー 1人 だった。 チラシの裏に簡単な経歴と1、2、3のどれかを選択するのかを書いてもらう欄を作った。 そして、面接場所にはイライザのレストラを指定した。 すると、応募者は50名にものぼった。 俺は特に副オーナーになりたいという応募者には、厳正な面接を行った。 はっきり言って、副オーナーは責任感の無いアホには任せられないからだ。 そうして、カイと俺で面接を重ね、19人の従業員が決定した。 そして、馬車を借りて19人をEarthまで案内した。 次の日からは各自自分で来てもらわなければならない。 初期費として、馬を買うお金は出すと言ってある。 それか、エブリファーム区の中央の屋敷に泊まり込みで働いてもらうか… どちらにしても居住区の整備が急がれるようだな。 1人でそんなことを思いながら、泊まり込みが5人、後の14人はとりあえず馬で通うという事になった。 俺は次の日から、チョコレートについての基礎知識と製造方法を教え込んでいった。 そうして、チョコレート店兼工場がオープンした! チョコレート店兼工場のチラシはあらかじめ配っていたが、予想以上に大勢のお客さんが買い求めにきた。 特に少し裕福な紳士・淑女がプレゼント用に買っていかれる事が多く、チョコレート工場はフル稼働でチョコレートの生産にあたった。 綺麗にラッピングされて渡されたチョコレートは、人へのプレゼントに最適だという噂が広まり、チョコレートは売れに売れた。 そして、同時にカレー店や宿屋を利用する人もさらに増えた。 これは嬉しい悲鳴だった。 そんな忙しい日々を送りながら、俺はある事をしなくてはならないと考えていた。 そのある事とは…? ハイペリオンの木の塀第2弾だ! つまり、エブリファーム区にはハイペリオンの木で囲まれ、門もあるので安全性はばっちりだが、メニーストア区は丸裸で、とりあえずリアーナが警護しているのみだった。 そして、今度は俺にある考えがあった。
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