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「明日、天逆海の開いた会議が終わる」
「……はい」
「天狗木家当主は間違いなく、五十鈴を取り戻しに来るだろう」
「潰しますか?」
「五十鈴に手を出すようならばな」
「毒殺しますか?」
「…………しない」
噛み合わない会話に千蔭はため息を吐いた。
「天逆海が動くことはないと思うが、警戒は怠るな。エマと共に五十鈴についてくれ」
「はい。ですが千蔭様はいかがなさいますか?」
「俺はいい……まだ仕事が山積みだからな。それに本邸にいる三千留(みちる)に応援を頼んだ」
「…………!?」
「数日後にはここに到着するだろう」
千鶴はその言葉にコクリと頷いた。
「下がってくれ」と言う言葉と共に千鶴は姿を消した。
千蔭は先程まで五十鈴に触れていた右手をじっと見つめていた。
(細くて触れるのが怖い……すぐに折れてしまいそうだ)
自分の中で何か新しい感情が生まれた気がした。
その名前はまだ分からないが、小さな炎が五十鈴に触れた途端、大きく膨らんでいくような気がした。
中途半端にはなりますが、ここで一旦終わりになります!
ここまで読んでいただいてありがとうございました♪
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