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そんな紘輝の笑顔に、ドキドキしちゃった私。
「..................っ、なにそれっ、」
言葉も上手く出てこない...............よっ。
言葉を上手く出せないまま俯いていると。
「俺は、今まで、
〝犬にだけは、〟絶対なりたくないと思ってた」
突然、丁寧に言葉を紡ぎ出す紘輝。
「だって、犬だと〝恋〟出来ねーもん。
でも、〝犬〟なら存分に甘えられるもんな」
そう言って、一歩ずつ私に近づいてくる紘輝。
そして.................................
──────ギュッと。
私を抱きしめてきた紘輝。
初めてだったけど、嫌ではなくて。
「お前の犬になりたい理由、
ちょっと分かったかもしれねぇーわ、」
そう言ってくれた紘輝に安心した私は。
思わず、紘輝の背中に腕を回した。
この会話が、私たちの関係に、
ほんの少しの変化をもたらすことを............
──────この時の、私たちは知らない。
fin.
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