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「先輩。連絡もしないで急に来ちゃって、ごめんなさい。」
ーー雨の日曜日、午前9時。深夜のバイトを終えてアパートへ帰宅すると、玄関の前で座っていたのか・・・立ち上がって話しかけてきたキミがいた。
いつもの明るくハツラツとした表情のキミは、大きな瞳でダイレクトに脳へ思いを伝えてくるようだ。
「空気の澄んだこの山に連れて行って下さい。どうしても、どうしても今日、見ておきたいんです。」
1つ歳下の大学の後輩。同じサークルとはいえ2人で会ったことなんてない。そんなキミはお辞儀をしたまま頭を上げようとしない。
「・・・えーっと。山へ?!」
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