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「この場所なんです。」
肩からかけている布製のカバンから取り出したのは、何回折り畳んだのかわからない古文書のような地図。
「天使に?出会える山へ。・・ここは栃木県の奥の方だね。」
ーー身支度をする時間だけもらい、黒のミラピコに乗り込み地図の場所を目指す。
ラジオと時計しかついてないカーステ、色気のない軽自動車だ。でも暖気の空調だけは良好だ。
車内では特に会話も盛り上がらず、たまらずタバコに火をつけようとしたが、確かキミは大の苦手としていたはずだ。
「先輩、休憩をしましょう。あぁでも、雨がどんどん強くなりますね。」
自分が喫煙する時間を作るために気を遣ってくれたのか、自動販売機がいくつか立ち並ぶ休憩所を指さしている。
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