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「ここに行くのは、諦めましょう。天使の涙が溢れていて、わたしの心も悲しくなってきました。」
ペットボトルの水で白い数粒を流すように喉を潤すと、古文書のような地図を折り線に沿って大切にしまい始めた。
「でも、どうしても今日、行きたかったんだよね?!」
ーー時計は午後3時を過ぎていた。ハンドルからはなす両手を自然にエアコンの暖気に近づけて温めるくらい、体感温度も下がっていた。
「仕方ないです。でも初めてここまでチャレンジできたから。・・それだけでも十分です。ありがとうございます。」
会釈して顔をあげたキミと今日初めて目があってしまい、視線をそらすことができず不器用に時を止めてしまった。
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