Rain in my heart

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 ポツンと光る電話BOXの近くまで車を移動させる。小雨になった車外で潮風を感じているキミはダルそうな体で背伸びをしている。  「初めての海なのに、夜で雨なんてところがとても素敵かも。」  弱々しい精一杯の笑顔でテレホンカードを挿入口に差し込み、インクが剥げかけている錆びた数字をプッシュする。  友人の家にいるからなんて嘘の電話はしない。時計は半日を過ぎた9時になるところだ。電話BOXの中から手招きをするキミ。受話器を渡され母親とも初めて会話をした。 ーーキミの病気のことも初めて知った。  テレホンカードの数字が減っていく、母親の声は心配と感謝の言葉が紡がれる。  「色々と、ごめんなさい。お母さんに聞いたよね、わたしの取説。この髪も実はウィッグなんだよ、強い陽射しもダメなんだ。だから・・・」  
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