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「僕も男だから、女の子にそんな扱い受けたら複雑な気持ちもわかります」
「だよな?なんかあんなに警戒されるとちょっと、落ち込む」
「まあ、甘いものでも食べて元気だしてください。えっと、クレームブリュレ?とかいうのが人気みたいですよ?」
「知ってる」
フランス語で「焦がしたクリーム」という意味のスイーツ。表面には砂糖をバーナーで焦がしたパリパリのキャラメリゼが輝く。
「看板メニューだろ?いつも食ってるし」
なにせ俺はこの居酒屋の常連。こぎれいな店内に好感が持てるし、店員は大学生ばかりだが全員マスクに三角巾で清潔感もある。
クレームブリュレだって、締めの1杯代わりに注文すればすぐにカウンターで仕上げてくれる俺の好物なのだ。
「ふーん。じゃ、店員さん!そのクレームなんちゃらを人数分ちょーだい?」
女上司が大声で注文すると、いつもの店員さんが珍しく申し訳なさそうに頭を下げる。
「え?1個足りない?そっかぁ。じゃ、あんたの分は無しね」
なぜかあっさりと俺の分が取り消された。
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