魔法発動?

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「マリンちゃん、ここはダンジョンなんだよね?」  太郎が立ち上がり池を睨みつけた。 「色んな苦難や敵が現れるけど、それを攻略するのがゲームだよね?」  太郎はマリンの肩を掴んだ。 「ゲームの事教えてくれるって言ったよね? 教えて」  太郎の真剣な眼差しにマリンも少しだけ落ち着きを取り戻した。 「うん……ダンジョンを攻略するには……1人じゃダメ。仲間が必要だよ。それも違う役割の。武力の優れた勇者は剣で敵を倒す。力が弱い女の子は魔法を使って敵を倒す。あと勇者が怪我をしたら癒やしの魔法で傷を治してあげるの」 「じゃあ僕が勇者だとしたら、マリンちゃんは魔法使いなんだね」 「役割的には」 「じゃあ魔法が使えるはずだ」 「ムリムリ! 私魔法なんて使えないよ!」 「大丈夫。ここはダンジョン、ゲームの世界だ。さあ……」  太郎はマリンの手を握り立ち上がらせた。マリンは戸惑いながらも目を閉じた。 「闇に囚われし光の精霊たちよ 赤き月の光を浴び、今こそ目覚めよ 闇に光を 牢獄に鍵を 病者には良薬を 全世界に救いを!」  マリンはかっと目を見開き赤い石を池に投げ入れた。  ゴボゴボ……  石は音を立てながら、溶けた。 「あーー! やっぱり私には魔法なんて無理だったんだ。あーー……!」  悲嘆に暮れマリンは地面に突っ伏した。
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