神殿はダンジョンの入口

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「何だろう」  マリンは棒に近付き観察した。白くて硬そうだった。 「分かった! これは勇者の剣だよ。これを抜いた人が持つ権利を得られるの!」  マリンは棒の上部を両手で握り引き抜こうとした。しかし深く刺さっているのか、中々抜けなかった。 「太郎くん、やってみて」  太郎は棒を握りぐっと力を入れ一気に引き抜いた。 「やった!」 「スゴイ!」  棒の先端は鋭く尖っていた。剣というより槍のようだった。 「じゃあ太郎くんが勇者よ。モンスターが現れたらやっつけてね」 「分かったよ」  しばらくでこぼこの道を歩いた。すると道が二手に分かれていた。 「どっちかな?」  左の道の方からかすかに風を感じた。 「出口かもしれない! 左に行こう!」  2人は左へ進んだ。どんどん風は強くなる。 「もう少しで出られる!」 「いや、ちょっと待って。風の吹き方が変だ」  言われてみると風は吹いてくるだけではなく周りの空気を吸い込んでいるようにも思えた。 「うわっ!」  突然の突風に跳ね飛ばされた。 「キャッ!」  かと思うと強い力で引き込まれる。 「ここは危ない。右の道へ行こう」 「そうね。あら?」  突風吹きすさぶ洞穴の壁に、マリンはキラリと赤く光る物を見つけた。 「もしかしたら宝物かもしれない。きっと魔法の石よ!」  石はキラキラ輝いてマリンを招いているようだ。
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