5度目の告白

5/6

9人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
聡がよろこんでスマホを取り出す。 互いに番号を登録して、ホッと息を吐き出した。 舞は登録された聡の番号をまるで宝物のように見つめた。 もう二度と、このアドレスが消えませんように。 心からそう願う。 「長谷川さん、あのさ」 「はい」 スマホから顔を上げるとそこにはとても真剣な表情の聡がいた。 顔が少し赤くなっている。 緊張感のただよう聡の様子に舞の心臓はドクンッと跳ねた。 うそ。 まさかここで!? 《昨日》までとはまた随分と違う展開で焦る。 だってここはまだ仕事場で、休憩時間といえど仕事中で、更には誰が来るかわからない場所にいるのだ。 これで焦らない方がおかしい。 聡の次の言葉を止めようとしたけれど、一歩遅かった。 「好きです!」 聡は拳を握りしめて勢いでそう言っていた。 舞がポカンと口を開けて聡を見つめる。
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加