第2話 彩の場合

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今日1日知明の言動をさぐるつもりでいたけれど、もう限界だった。 よくあんな素知らぬ顔ができるわね! 憤慨して大股で歩く。 後ろから知明が慌てて次いてくるけれど、彩は振り返らなかった。 その目に微かに涙がにじむ。 本当は自分の誕生日をこんな風に終えたくなんてなかった。 だけど見てしまったのだ。 昨日、知明が彩の女友達とふたりで歩いているところを……。
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