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呆然として座り込んでいたところで、スマホのアラームが鳴り始める。
止めようとして画面を見た時、そこには《彩バースデー！ 知明とデート》と、表示されていたのだった。
☆☆☆
これは一体どういうことだろう。
家を出た時犬の散歩をしているおじさんとすれ違う。
電車に乗って待ち合わせ場所まで行く途中、前を歩く女性が足をひねってこけそうになる。
そのどれもが昨日見た光景だった。
呆然とした気持ちのまま知明との約束場所に到着すると、昨日と同じ格好ですでに知明は彩を待っていた。
「おはよう……」
「おはよう彩。今日はどうしたの？ やけにぼーっとしてない？」
すぐに彩の変化に気がついて心配してくる。
そう、昨日もこんな感じだった。
昨日の彩は朝から怒っていたから『なにかあった？』と、質問されたんだっけ。
「ねぇ知明。私達昨日もデートしたよね？」
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