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甘いものが大好きな知明はちまちまとクリームソーダの上に乗っているアイスを食べ始めた。
まるで子供みたいだ。
体格はすごく立派なのに。
彩は毎度のことそのギャップにやられてしまうのだけれど、今日ばかりはそんな悠長なことを言ってはいられない。
だって自分は同じ日を繰り返しているんだから。
こんな非現実的なこと、起きてはいけない。
もしかしてまだ眠っているんだろうかと思って何度か自分の頬をつねってみたけれど、ちゃんと痛かった。
痛くて涙が滲んだところで知明が心配そうに右手を伸ばして頬をなでてくる。
「大丈夫?」
「ほっぺは大丈夫。だけど基本的には大丈夫じゃない」
何度も言うようだけれど、同じ日を繰り返しているのだ。
これで大丈夫といえば確実に嘘になる。
だけど目の前にいる知明は呑気なものでニコニコと嬉しそうに笑っている。
「ちょっと、なにがおかしいの?」
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