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「それは、ほら、あの、大学の用事……じゃなくて、ほら、ね?」
明らかに動揺している。
しかも、今までに見たことのないくらいひどい動揺っぷりだ。
彩は知明の様子に呆れつつ、またため息を吐き出した。
どれだけ弁明しようとも、その態度だけですべてがわかってしまう。
後ろめたいことがなにもないのであれば、ここまでしどろもどろになる必要だってないはずだから。
まだ焦ってわけのわからない話を続けている知明を睨みつけた。
まさか知明が浮気するなんて思っていなかった。
見た目はちょっと怖いけれど、心はとても優しい人だと信じてきた。
それが見事に裏切られてしまった。
しかも相手は彩の友達だ。
これで彩は彼氏も友達も同時に失ったことになる。
よりによって、自分の誕生日に!
天国が一変、地獄へと変容していく。
彩の目は徐々につり上がってきて知明は言葉を切った。
「信じられない! 大嫌い!」
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