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のろのろと起き上がってテレビをつければ、見慣れたニュースキャスターが今日の天気を告げている。
彩はぼーっと床に座り込んでそれを見つめた。
キャスターの声が右から左へと流れていく。
やがてデートの約束を告げるアラームがスマホから鳴り始めたけれど、それも無視して彩は床に直接ゴロンと横になったのだった。
☆☆☆
もう、わけがわからなかった。
これ以上どうしろというんだろう。
もしかして全く別の力が働いて6月12日から出ることができなくなったんだろうか。
彩は床に寝そべったまま考える。
もうとっくにデートの約束時間は過ぎていて、さっきからスマホが鳴り続けている。
きっと知明から心配するメッセージや着信が沢山来ているはずだ。
わかっていても確認する気にはなれなかった。
デートなんて行く気力も湧いてこない。
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