9人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
そんな由佳に人生損していると告げた達也は抹茶味のソフトクリームを選んだらしい。
「ほら、こっちも食べてみて」
バニラしか食べたことがない由佳に自分のソフトクリームを差し出す。
由佳はプラスチックのデザートスプーンで抹茶味のソフトクリームをすくって口に入れた。
チョコレートの味で口の中が甘くなっていたところに、抹茶のほろ苦い、大人な味が広がっていく。
「あ、これもおいしいかも!」
それも初めての発見だった。
チョコレートも抹茶もおいしい。
けれどそれをミックスさせたら更に美味しい。
「だろ? 由佳はもっと色々チャレンジしてみたらいいよ。食べ物だけじゃなくてさ」
そう言われて由佳はチョコレートのソフトクリームに視線を落とした。
確かに、今まで自分は安定感を求めることが多かったかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!