4度目の朝

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時刻を確認すると、車で帰宅したときよりも30分ほど早い。 余計な寄り道をしないせいだろう。 駅から家まではバスを使った。 バス停から家まではほんの一分ほどの距離だ。 「ただいまぁ」 リビングにいる両親に声だけかけて、顔を除くことなく自室へ向かう。 胸の中には重たい鉛がまだ残っていて、心はひどくささくれ立っている。 恋人からのプロポーズを反故にしたのは自分なのに、それがこれほど自分を攻撃してくるとは思ってもいなかった。 ベッドに寝転んで深くため息を吐き出す。 ため息と一緒に鉛も出ていってくれればいいのにと思ったが、体は重たいままだった。 念の為にスマホを確認してみるけれど、達也からの連絡は入ってなかった。 当然だ。 自分がつい1時間ほど前に断ったばかりなのだから、連絡なんてくるはずがない。 わかっていたことなのに、急に悲しみが押し寄せてきた。
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