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まだ20代前半だろうか。
とても若い両親の写真に自然と笑みが溢れる。
若いけれど、ふたりともしっかりと面影がある。
母親は純白のドレスを着て、父親も白いタキシード姿だ。
写真は少し色あせているけれど、その姿は眩しいくらいだ。
「そうよ。結婚式のときの写真」
「お母さん綺麗だね」
「当たり前でしょ。お母さんは今でも綺麗なんだから」
冗談を言いながらページをめくる。
写真の中のふたりは常に寄り添い、微笑んでいる。
「ふたりとも幸せそう」
「そりゃそうよ。人生で一番幸せだった」
そう言われてまた由佳の心が重たくなる。
自分はずっと7月1日を繰り返している。
だからこんな幸せな時間を味わうこともできないんだろうか。
「でもね、それまでは色々あったのよ」
「付き合ってたときのこと?」
聞くと左右に首を振られた。
「プロポーズを受けてからのことよ」
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