5度目の正直

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5度目の正直

次の日の朝も7月1日だった。 だけどもう心の鉛は取れている。 《昨日》母親と会話できたことで、スッキリとした気持ちで身支度を整えた。 「あら、今日はご機嫌ね?」 リビングでテレビを見ていた母親が嬉しそうに声をかけてくる。 「うん。今日はデートだし、もしかしたらそろそろかも」 意味深な言い方をすると母親の目が輝いた。 「そうなの。お母さんは大歓迎よ」 「うん、わかってる」 「なにかあったら連絡しなさい?」 「ありがとう。じゃあ、行ってくるね!」 達也がチャイムを鳴らす前に玄関に出る。 そのタイミングで達也が乗っている普通車が敷地内に入ってきた。 「達也、おはよう」 右手を上げてすぐに助手席に乗り込んだ。 「おはよう由佳。今日は一段と綺麗だね」 そう言われて照れ笑いをする。 だって今日は本当に特別な日になる。
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