5度目の正直

2/5

9人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
だから思いっきりおめかししてきたんだ。 ☆☆☆ 「私ね、達也の真面目なところが好き」 由佳は砂浜を歩きながらとつとつと語る。 「うん、ありがとう」 「だけどたまにその真面目さが疎ましくも感じられるの」 「え?」 「融通がきかないっていうのかな? そういうところは嫌い」 突然嫌いと言われて達也は戸惑っている。 けれど由佳は話を続けた。 「達也が自分の夢を叶えて今の仕事についていることも、すごいと思う。だけどあまりそういう話をされると、自分に劣等感を覚えるからやめてほしい」 「ご、ごめん」 「それとね……」 今までは付き合っているだけだからなにも気にならなかった。 けれどこれからは違う。 マリッジブルーを解消するために、ひとつひとつ気になる点をあげていく。 「俺、そんなにダメだったかぁ」 すべていい終えた後達也がガックリとうなだれた。
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加