9人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
由佳は慌てて首をふる。
「ダメってわけじゃないよ。それくらい、きっと誰にでもあるし。ただ、私がそう思ってたってことを知っておいてほしいの」
「うん……そうか」
場所はいつも達也がプロポーズしてくれているところまで来ていた。
これでも達也は自分にプロポーズをしてくれるだろうか。
不安はあったけれど、後悔はしていない。
「わかった。それが由佳の気持ちだね」
そう聞かれてドキリとする。
それなら結婚はやめておこうと言われるかもしれない。
由佳の心臓は緊張で早鐘を打ち始めた。
「俺は由佳にもっとチャレンジしてほしいと思う。きっと由佳は自分を過小評価しているんだと思うから」
「うん……」
それは《昨日》も言われたことだった。
「もっと、自信を持ってほしいと思ってる」
「わかった。努力する」
頷くと、達也が微笑んで足を止めた。
最初のコメントを投稿しよう!