5度目の正直

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由佳は慌てて首をふる。 「ダメってわけじゃないよ。それくらい、きっと誰にでもあるし。ただ、私がそう思ってたってことを知っておいてほしいの」 「うん……そうか」 場所はいつも達也がプロポーズしてくれているところまで来ていた。 これでも達也は自分にプロポーズをしてくれるだろうか。 不安はあったけれど、後悔はしていない。 「わかった。それが由佳の気持ちだね」 そう聞かれてドキリとする。 それなら結婚はやめておこうと言われるかもしれない。 由佳の心臓は緊張で早鐘を打ち始めた。 「俺は由佳にもっとチャレンジしてほしいと思う。きっと由佳は自分を過小評価しているんだと思うから」 「うん……」 それは《昨日》も言われたことだった。 「もっと、自信を持ってほしいと思ってる」 「わかった。努力する」 頷くと、達也が微笑んで足を止めた。
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