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昔から男勝りなところがある私にとって、周囲からの自分に対するイメージと異なる言動をするのは、どうしても抵抗があった。
中学に上がってスカートを穿くのにも気が乗らなかったし、高校に入ってようやく肩よりも下まで伸ばした髪を編み込むようなことだってできない。
だけど、本当は女の子らしいと言われるようなことをするのが好きだった。
ふわふわとしたスカートを穿いて歩きたいし、髪を巻いてお洒落もしてみたいし、好きな色は淡いピンクだと言いたい。
「ジンクスもそうだけどさ、一度きりだよ? あたしは、千綿にやらずに後悔してほしくない」
多様性なんてものを認めてもらいやすくなった時代。生まれ持った性別など関係なく、自分らしく好きなものを好きでいられたらいいと思う。
ただ、これは私自身の気持ちの問題なのだということも理解している。
周りは自分が思うより、私のことなんて見ていない。私自身が必要以上に、周りの目を気にしすぎているだけなのだ。
眞白は小学生の頃からずっと一緒だからこそ、そんな私のことをよく理解してくれている。
「……後悔は、したくない」
「うん」
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