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「ただ、なんて伝えればいいか悩んではいる」
人生で初めての告白になる。私のこの気持ちを正しく、どのくらい好きなのかを伝えるためには、どんな言葉を選べばいいのだろうか?
大好きな彼――――藤岡志麻くんに。
私たちの座る廊下側とは反対の、窓際の席に座る彼の方をちらりと盗み見る。
数名の友人と談笑しながら同じように昼食をとる志麻くんは、黒い髪に隠れて表情を窺い見ることはできない。
「好き、でいいんじゃないの? あれこれ言葉を選ばなくたって、シンプルな方が千綿の気持ち伝わると思うけど」
「そういうものかな」
「っていうか、あんたたちとっくに両想いだと思ってたんだけど」
「へ!? 眞白ってばなに言ってんの……!?」
「あたしは千綿の気持ち知ってるけど、藤岡くんだって一目瞭然じゃん」
「そ、そんなわけ……」
突然なにを言い出すのかと、ぎょっとして眞白を見る。彼女はいたって真剣な様子で、私をからかおうとしての発言ではないらしい。
そして、それを絶対にありえないと即座に否定できないのは、私もそう思っているからなのかもしれない。
「っ……!」
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