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(志麻くんて、こういうの自然にやるんだよなあ)
スマホのメモを確認している彼の横顔を一瞥してから、商品棚の方へ移動する。
リストにある商品を志麻くんが読み上げて、それを私がカゴに入れていく。そうしていると、必要なものはあっという間に揃えることができた。
「うん、オッケーかな。それじゃあ……って、志麻くん?」
買い漏らしが無いかどうかを確認して、私はレジに向かおうとする。
けれど、カゴを手にしたままの志麻くんはなぜか、スイーツコーナーの前で立ち止まっていた。
「どうかした?」
「……これ、千綿に似てる」
「え……?」
彼がなにを言い出したのかわからなくて、首を傾げながら隣へ移動してみる。
志麻くんが指差した先にあったのは、小さなプラスチック容器に入ったパンダの形をした和菓子だった。
小さくて丸っこくて可愛らしい。可愛らしい……のだけど。
「……似てないよ」
「似てるだろ。この訴えかけるみたいに見上げてくる感じとか」
「からかってるでしょ」
「うん」
「もー、志麻くん……!」
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