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真剣な表情で言うものだからつい納得してしまいそうになった私は、志麻くんを睨み上げる。
楽しそうに笑う彼はあっさりとそれを認めてきて、ムッとした私は志麻くんの肩を叩いた。もちろん、本気ではない。
「……それ、買うんだ?」
「せっかくだし、普通に美味そうだし」
私のことをからかうだけのつもりかと思ったのに、志麻くんはそのパンダをカゴの中に追加している。
「千綿は? いる?」
「…………いる」
「ハハ、じゃあ買ってくる」
いらないと言えたら良かったのに、パンダは可愛いだけじゃなくて確かに美味しそうだった。
期間限定のコンビニスイーツは入れ替わりも早い。一期一会なのだから、今食べておかなければ後悔するかもしれないのだ。
誰にともなく心の中で言い訳をした私は、会計を済ませた彼と共にコンビニを後にした。
「あれ~、藤岡くんじゃない?」
「わ、ホントだぁ!」
自動ドアを潜った直後、志麻くんを呼ぶ声が聞こえてそちらに目を向ける。
どことなく見覚えのある二人組は、すぐに隣のクラスの女子だと思い当たった。
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