00:プロローグ

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「眞白ってば……ごめんね、志麻くん。私がやるから手伝いは大丈夫だよ」 「構わない。千綿に用があったし、俺も行く」 「で、でも……」 「二人で行けば早く終わるだろ」 「…………うん、ありがとう」  私が遠慮していると思ったのだろう。床に置かれていたゴミ袋も拾い上げた志麻くんは、返答も待たずにスタスタと廊下に向かっていく。  彼一人にゴミ捨てを任せるわけにもいかなくて、私も残りのゴミ袋を手に取るとその後に続くことにした。  先にゴミ捨て場に行っているものかと思いきや、廊下に出ると志麻くんは立ち止まって私が来るのを待っている。 「そっち、重くない?」 「ううん、平気だよ。志麻くんの方がたくさん持ってくれてるし」  両手に二つずつゴミ袋を持つ志麻くんは、頼めば私の持つ残り二つのゴミ袋まで引き受けてくれそうだ。いや、間違いなく引き受けてくれるだろう。  藤岡志麻という人間は、そういうひとなのだ。 「学園祭、楽しめた?」 「それなりに。千綿はいろいろ食べられたのか?」 「なんで食限定なの?」 「食べるの好きだろ」 「好きだけど……」  事実なので否定できないけれど、なんとなく悔しい。
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