04:学園祭当日

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「なんだったらあたし途中で当番変わるし、早めにデート行ってきてもいいんだからね」 「そ、それはいい……!」  眞白の申し出に大きく首を横に振ると、私は生徒たちが行き交う廊下をぐるりと見回す。 「……もちろん、志麻くんとのことも大事なイベントなんだけど。最後の学園祭も、ちゃんと楽しみたいから」  みんなが一丸となって準備を進めてきた今日という日。  お揃いで作った水色のクラスTシャツ。それを身に着けたこのメンバーと共に過ごせるのは、今年が最後なのだから。 「そっか、じゃあまずはお客さんたくさん呼び込まなきゃだね」 「うん! あ、眞白は?」 「ん? あたしがなに?」 「その……ジンクスのこととか、眞白は告白しないのかなって」  恋をしているのは私だけではない。  私が志麻くんのことを好きだと知られた時に、眞白にも好きな人がいるらしいという話を聞いたことがあった。  ただ、その相手が誰なのか眞白は教えてくれなかったし、尋ねる機会も失ったままだ。  叶うことのない恋だから、なんて笑っていたけれど。
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