04:学園祭当日

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 空腹感は限界を迎えていて、今すぐにでも食べ物をお腹に入れたい。けれど、お昼時の出店なんて長蛇の列が容易に想像できてしまう。  とりあえず、志麻くんと相談して行き先を考えよう。そう思った私は、彼の姿がどこにも見当たらないことに気がついた。 「あれ……志麻くん……?」  志麻くんも私と同じ午前中の当番なので、さっきまで列整理をしたり、お化け屋敷を出入りしていたはずだ。  一緒に学園祭を回る約束もしていたのだから、どこにも行くわけがないのに。 (もしかして、誰かに声を掛けられて……?)  ふと過ぎる可能性を振り払おうと、私は頭を振る。  誰かに誘われたとしても、志麻くんは先約を何も言わずに破るような人ではない。少なくとも、そちらを優先したいなら私に断りを入れてくれるだろう。 (でも、他に優先したい用事があるって言われたら……私はどうするのかな)  それが志麻くんの意思なら、仕方ないと諦めるのだろうか?  知らず知らず沈んでしまいそうになる気持ちを、どうにか奮い立たせようと顔を上げた時だった。 「……たこ焼き?」  私の目の前には、どういうわけだかたこ焼きの姿があった。
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