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「栗林くん、どうかしたの?」
私と志麻くんが一緒にいると、どちらが呼ばれたのかわからないことも少なくない。
コンビ名と同じく誰がそう言い出したのかは覚えていないけれど、いつしか一緒の時には私が『しましまチャン』、志麻くんは『しましまクン』と呼ばれるようになっていた。
最初は不本意だったのだけど、今はもうわかりやすければなんでもいいと思っている。
「スミセンが呼んでたって、職員室」
「えっ、なんだろ……?」
「俺も一緒に行くか?」
「ううん、ちょっと行ってくる。連絡するから、志麻くんはどこか回ってていいよ」
「わかった、じゃあ待ってる」
わざわざ呼びに来てくれたらしい栗林くんは、用事が済むとどこかに行ってしまった。
呼び出されるようなことをした覚えはないけれど、先生に呼ばれているとなれば、無視するわけにもいかない。
私は志麻くんと一旦別れることにして、小走りに職員室へと向かうことにした。
学園祭で校舎の中はどこも賑わっているけれど、職員室の周辺では出し物が無いことから、こちらの方へやってくる生徒はいない。
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