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近道になる校舎裏を通って建物内へ移動しようとした私は、急な衝撃を受けてバランスを崩す。
「痛っ……!? な、なに……?」
「学園祭楽しんでる? しましまチャン」
「え、水田さんと……谷口さん……?」
地面に倒れ込んだ私を見下ろしていたのは、先日コンビニ前で会った水田さんと谷口さんだった。
私に向けられるその瞳が酷く冷たいものに見えて、背筋をゾワリと嫌な感覚が走り抜ける。
「あの、何か用かな? 私、先生に呼ばれてて……」
「スミセンの呼び出しなら嘘だよ。栗林に呼び出させたの、あたしだから」
「え……? どうしてそんなこと……」
谷口さんがそんなことをする理由が見当たらず、二人の顔を交互に見遣る。
私に用があるのだとすれば、純部先生からの呼び出しだなんて、どうして回りくどいことをするのだろうか?
「どうしてとか、わざとらし~。しましまコンビとかあだ名つけられて、自分だけ特別だと思ってるわけ?」
「な、なんの話……」
「とぼけてんじゃねーよ。ちょっと藤岡くんに気に入られてるからって調子こいて、アンタ何様?」
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