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そんな彼女が、わたくしの婚約者の隣に立って、このわたくしに向かって婚約の破棄をお願いしに来たのでがす。
「婚約者の貴様がいる身で他の女性を見初めるというのは、本来ならばあってはならんことだろうが、貴様ならば問題無しと判断して婚約を破棄させて貰うぞペルペル!!」
「『道ならぬ、恋の田畑に、燃ゆる春』という感じなもんで……どうでしょう?」
「う~ん、三七点ですの。もうちょっと捻りが欲しいと言いますか『恋の田畑に』の部分を入れ替えてみましょう。『田畑の恋に』みたいな感じにすると多少は玄人感が出せるのではありませんの?」
「なるほど……! さすがです先輩!!」
尊敬のまなざしを向けられると、どうしてこうも気持ちが良いのでしょうか。
「いや、そんなことはどうでもよいのだ! ペルペル、貴様認めてくれるな?」
再度問いを掛けてくるのは、学園でも一、二を争う美丈夫と名高い公爵家のダンダーリオット・タナ・カー・ジョン・ドゥーイット様でございます。
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