第1話 破棄

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「しかしタナ様。婚約とはお互いの家同士での繋がりでもあるわけで、わたくしの一存では決められることではごじゃりんせん。一度両親に相談させて頂いてもよろしいですの? それくらいの時間なら待ってくれるわいね? ね?」 「ふん、良いだろう。俺は気が長い方だからな。いつまでも待っていよう」  こうしてわたくしは一旦自室に戻ると両親へと相談しました。 「うんいいんじゃない」 「はい」  戻ってきました。 「『うんいいんじゃない』との事であました。というわけで今日からわたくしとカー様は全くの完全なる赤の他人ということになります。トイーモさん、お幸せにね。……じゃあジョンもこれでコトが済んだのだからとっとと回れ右してお帰りくりゃしゃんせ。へいへい」 「ありがとうございます先輩……! 私、先輩の御恩は一生忘れません! 子供が出来たあともキッチリと先輩の雄大さを語り継がせていく所存です! あーしたッ!」 「代わりといってはなんだがペルペル。貴様に縁談を持って来てやったぞ、相手は救国の魔王とも名高い男だ。俺の代わりとしてこれ以上の代打は無いな」  ダンダンの言葉に思わず戸惑ってしまいました。
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