第2話 変化

3/6

46人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
 さらに数分後。 「……と言った具合で婚約を破棄されまして。ご両親も構わないとの事で、今日馳せ参じた所存でございますの」 「あらそうなんです? それはそれは一風変わった経緯ですね。……と、ああ此処です。こちらが旦那様のいらっしゃるお部屋になります」  まあ、立派な扉で。いつもこのような扉を通っているだなんて、やはり立派なお人なのでしょう。 「旦那様、ペルケ・ペルケケン様がいらっしゃいました」 『あ、どうぞ。勝手に入って下さーい』 「はい、失礼します。ではペルペルさん」  リアナンさんが扉を開けるとそれにわたくしも続きました。 「あぁようこそ遠路遥々。僕はシグナス・リード・アヴェニス・プリマベーラ。一応は貴方の婚約者になる予定の男です」 「初めまして。わたくしはペルケ・ペルケケンと申しますの。よしなによしなに。よしなについでにサインを頂けませんか? ファンなんどす」 「いやいや、サインはちょっと勘弁してください。サインは流石に」 「あら残念」 「さて、とりあえずお茶でも飲みながら話を聞かせて頂きましょうか。ささ」 「はい、お言葉に甘えちゃうんですの」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加