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「…んっ…んはっ…!」
「…優太、可愛いよ…」
互いの理性に掛けられていた鍵が一気に破壊され、俺たちは互いを今まで以上に求めあった。
薄手の掛布団に包まれながら、深いキスを交わしてはスっと離れ、顔を見つめ合ってから、また深いキスを繰り返す。
「大きい声出したら、クロちゃんが起きちゃうから我慢すれよ?」
「…い、言われなくても分かって…!」
「空港のトイレで俺に息を殺せって言ったよな?なら、優太も出来るよな?」
「…んっ…!…んはっ…!」
野獣化した一平を止めることなど俺には出来ない。むしろ、今日の一平は『素直な気持ち』が全て晒け出された『真の野獣』なのだろう。
でも、野獣化した一平のことも俺は大好きで堪らない。俺の身体とフェロモンは、野獣化した君にしか反応しない程に君を求めているのだから。
「へぇ…そんなに俺のこと好き?」
「…す、好きに決まっ…んはっ!」
「息を殺せって…まぁ無理か、こんなにギンギンなんだもんな?」
君からの激しくも愛のあるキスや愛撫に俺の身体は正直に反応をしては、その想いが俺の性器へと流れ込んでいた。
我慢なんか…もう出来ない…
君に包まれたい、君に抱かれたい…
君の手で、俺を快楽へと誘って…
「我慢なんか…もう、出来ない…」
「ああ、俺はずっと前から我慢なんか出来てねぇよ…優太、俺を受け止めてくれるか?」
「もちろん…一平…俺を満たして…」
互いに理性なんか抑えきれず、心の底から押し出されるかのように吐き出される本当の言葉。そして、その言葉と共に薄手の掛布団を激しく放り投げては、俺と一平の姿がベットの上で顕になった。
「ク、クロ…?」
「あの子は本当にいい子だな…初夜の時もそうだった」
隣のベットでスヤスヤと寝ていたはずのクロは、いつの間にか海が見渡せる窓際の椅子へと座り、スヤスヤと眠っていた。
僕のことは気にしないで?
二人の時間を楽しんでね?
まるで、そんなことを示しているかのようだった。
「クロちゃんの行為に甘えて…優太、二人の時間を楽しもうぜ?」
「うん…もっと一平を感じさせて…?」
「ああ、空港でお預けになった分、お前のことを満足させてやるよ」
偽りのない愛で満ち溢れていた俺たちは、いけない恋ではなく『真実の愛』を身と心に纏いながら二人の想いを伝えあっていった。
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