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(すげぇタイミングだな……こいつに任せれば解決だな)
刹那は声を掛けようと、ポニーテールの少女に近づく。
シュッ!
「っ……⁉︎」
口を開こうとした時、刹那の目の前に何かが振り下ろされ、体が反射的に後退する。
突然ポニーテールの少女が腰に掛けていた角材を引き抜き、刹那目掛けて振り下ろしたのだ。
(は、は? いきなり何だよ?)
ポニーテールの少女の攻撃に訳がわからずにいると、刹那はあることに気がついた。
(もしかして……オレが襲ったと思ってんのか?)
それなら攻撃してきたことに納得がいく。
気を失っている少女の服を剥いで噛みついている光景を第三者から見れば、襲っているようにしか見えないだろう。
(あー……どうすっかな……)
異常に等しい光景を見たら、無実だと信用させるのは難しいだろう。
刹那はこの状況をどう対処しようか考えたその時だった。
「悲鳴が聞こえたのはこの辺ですか⁉︎」
遠くからいかにも警察の口調らしい声音が聞こえ、刹那はハッと顔を上げる。
(やべっ! サツだ!)
刹那は条件反射で体が動き、ポニーテールの少女を突き飛ばして逃げ去った。
「くそっ……今日はマジで何なんだよ!」
刹那が一歩ずつ駆け出す度、周囲に風が集束する。
路地裏を抜けると、刹那は旋風に姿を変え、夜風に紛れて消えた。
そして、この小さなきっかけが因縁の始まりだと言うことに、刹那は気づいていなかった――。
【了】
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