旦那が嫌いな犬

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旦那が嫌いな犬

今晩も、けたたましく犬が吠えている。 番犬になるだろうと庭で飼い始めたのだったけれど、どうしてだか旦那の帰宅の度に吠える。 「おかえりなさい。また吠えられてるの? あなたにはいつまでも慣れないのね?」 くすくすと笑いながら、玄関に出迎える。 「……そうだな、なんでだろうな? 俺も一緒に犬を買いに行ったのに。俺にだけ慣れないとかおかしいよな」 旦那も困ったように笑う。 「だけど、ペットって男の人に慣れにくいって言うし、それにあなたと私とじゃ会ってる時間が違うからね」 だから、そんなこともあるんじゃない? と慰めるように肩を叩くと、 「……そうかな?」と、旦那はまた仕方なさそうな顔で笑った。
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